新旅館業法・特区民泊・住宅宿泊事業法(民泊新法):行政法規ノート

宿泊施設は、以前は、旅館業の営業許可のみでした。2017年、新旅館業法が成立し、特区民泊・住宅宿泊事業法(民泊新法)と3本出揃いました。それらの解説を主に綴る。

「営業者」と「旅館業」と「営む」と「経営」

新旅館業法*1は、言葉の変更も行なっております。

この変更が、立入検査や罰則に影響します。

 

その前提として、新旧旅館業法でいう「営業者」は、改正に関わらない部分(抜粋)

第三条の二

前条第一項の許可を受けて旅館業を営む者(以下「営業者」という。)たる法人の合併の場合

 

この格好書きに、「許可を受けて旅館業を営む者」を「営業者」というとあります。

この表現で、次から条文上、「営業者」が記載されていたら、「許可を受けて旅館業を営む者」になり、無許可の者は入りません。

 

改正法で、『「営業」の施設』と表現されるところを、『「旅館業」の施設』と改めています。では、「旅館業」の定義は、第二条第一・二項(改正部分)

第二条

この法律で「旅館業」とは、ホテル・旅館営業、簡易宿所営業及び下宿営業をいう。

2 この法律で「ホテル・旅館営業」とは、施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、簡易宿所営業及び下宿営業以外のものをいう。

 

「旅館業」の定義は、第二条第三〜五項(非改正部分)

3 この法律で「簡易宿所営業」とは、宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、下宿営業以外のものをいう。

4 この法律で「下宿営業」とは、施設を設け、一月以上の期間を単位とする宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業をいう。

5 この法律で「宿泊」とは、寝具を使用して前各項の施設を利用することをいう。

 

第二条第一項で、『「旅館業」とは、3つの営業をいう。』と定義して、

第二項から第四項で、それぞれを説明しています。

その中で、改正部分でもある第二項がわかりやすいです。

「施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業」が旅館業である。さらに、第四項で、「宿泊」の定義を規定しています。

この定義を使って説明すると、「施設を設け、宿泊料(料金)を徴収して、人に対して、寝具を使わせて施設を利用させる営業」

これらの営業をするなら、許可が必要と第三条で規定します。

 

ここから、旧旅館業法*2では、営業=許可を受けた旅館業、営業者=許可を受けた者に対しての立入検査などの規定はありましたが、無許可で旅館業をおこなう者には、立入検査の根拠が定められていませんでした。

それを、「旅館業」と「許可を受けて旅館業を営む者」を条文上、区別することで、「無許可で旅館業を営む者」へ立入権限などを明確にしています。

 

この考え方が強く読み取れるのが、新設された第7条第2項です。(改正部分)

第七条第二項

都道府県知事は、旅館業が営まれている施設において次条第三項の規定による命令をすべきか否かを調査する必要があると認めるときは、当該旅館業を営む者(営業者を除く。)その他の関係者から必要な報告を求め、又は当該職員に、旅館業の施設に立ち入り、その構造設備若しくはこれに関する書類を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

 

なお、営業者(許可を受けた者)に対しては、第七条第一項で、従来から規定さておりました。

 

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この「営業者」の定義が、第三条の二法人の合併・分割の条文に規定されているのが、

なんとも法律って、取っ付きづらく読み方のルールを知らないと、よくわからないものになると改めて思う。

 

 

*1:2017年12月8日成立の改正法

*2:改正前の現行法